娘が2歳になった頃がアトピーの症状が一番ひどく、私は毎日悩んでいました。
特に手の甲がひどく、右も左もかきむしってしまうので、血がにじんでいました。
なるべく掻かないように、包帯をしたりしましたが一向によくなりません。
それどころか、だんだん悪くなっていくようでした。
娘もかゆくて可哀そうだし、包帯をしている姿は周りから見ると異様で、よく「どうしたの?」と声をかけられていました。
私もそんな毎日にストレスを感じていました。
こんなになってしまっても、ステロイドは使えない。
私は娘が可哀そうに思うのと同時に、ダンナに憤りを覚えました。
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ステロイドを使えばよくなるのに、ダンナはそれを許そうとしなかったからです。
ダンナはステロイドで辛い過去があります。
アトピーのことなどまだ詳しい研修がされていない昭和の時代、医者に言われるがまま、全身に強いステロイドを塗っていたそうです。
そしてステロイドの危険性などがわかってきて、ステロイドをやめた途端強い反動がきたそうです。
その克服には長い時間がかかり、とても辛かったという経験から、娘には絶対ステロイドは使いたくないと言っていました。
私も使わなくて済むものなら、使わないに越したことはないけど、血が滲むほどかきむしった手は、ステロイドを
使ってでも一度きれいにしておくべきだと思っていました。
「娘が可哀そうだと思わないの?毎日、寝る時も掻いてるよ?私だってそんな姿をいつもいつも見ているのは辛い」と私が訴えると、ダンナは「ステロイドを使うと、もっとひどいことになる。娘には、俺みたいな経験をさせたくない」と言います。
ステロイドは絶対使いたくないダンナと、ステロイドを使って少しでも症状を柔らげてあげたいと思う私。
二人の意見はずっと平行線のままでした。
皮膚科の先生に診てもらったとき、ダンナは私には一切しゃべらせず、自分の思いだけを話し、ステロイドは使わない方針にされてしまいました。
「アトピーで苦しんだことのないお前には、この辛さはわからない」
そういわれてしまえば、反論のしようがありません。
結局、処方された薬は漢方のような塗り薬で、とにかく臭いがひどく、本人も周りの人も嫌がるほど強烈な匂いの薬でした。
それでもよくなるのならばと一縷の望みをかけて1か月続けましたが、やはり状態は改善されません。
私は意を決し、ダンナには黙って近所の皮膚科に駆け込みました。
私はアトピーの辛さはわからないけど、娘のことは24時間そばにいて、一番わかっているつもり。
ダンナなんかよりも。
私は娘の手をぎゅっと握りました。
いつもありがとうございます