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私の両親は自営業を営んでいました。
クリスマスは繁忙期で、私と兄は家族だんらんのクリスマスを過ごしたことがありません。
クリスマスは、実家が1年でもっとも儲かる日。そして、私が1年で最も寂しい日でもありました。
母は晩ごはんの用意をしたら、またすぐお店に戻ります。
「サンタさんはいない」
私は小さいころからその事実に気づいていました。
それでも、クリスマスプレゼントは楽しみにしていました。
寝る時には、枕元に靴下を置いて、ワクワクしながら寝たものでした。
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それが、ある年のクリスマスの朝のこと、起きて靴下を見てみると、小さいまま。
そばを見回しても、プレゼントらしきものは見当たりません。
「プレゼントくれないんだ・・・」がっかりして靴下を持ち上げると、ちゃりんと音がしました。
ちゃりん?
靴下の中をみると、100円玉がふたつ・・・。
これ、クリスマスプレゼント??
忙しくてプレゼントを買いにいけなかったのかな・・・。母は、仕方ないと思って200円を靴下に入れたんだろうか。
でも、なんで200円?
ぐるぐるといろんな考えが頭に浮かびましたが、私は黙って受け取ることにしました。
このプレゼントのショックは結構大きく、私は何年もそのショックを引きずったものでした。
いくら時間がない、忙しいと言っても現金200円はないよ、お母さん(´・ω・)
それが今や、孫には1万円相当のクリスマスプレゼントを毎年渡すのだから、恨めしく思います。
私にしてやれなかったことを、私の子供たちにしてやっているのだそうです。
ちなみに母は、この200円プレゼントのことを覚えていません。
いろんな意味で、子育て中は余裕がなかったんだろうな・・・と、今となっては思います。
私も、子供たちにしてやれなかったことを、孫にしてやりたいと思うのかな。
そんな後悔がないよう、日々生きなきゃいけないな~と思ったりもするのです。