つづきです。
私は娘の手をとり、近所の皮膚科に駆け込みました。
先生には今までの経緯を話し、一度全部きれいにしてあげたいという思いを話しました。
先生の判断で、ステロイドが処方されました。
初めて塗るステロイド。
でも塗る前に、やはりダンナには了承を得ないといけません。
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その頃、ダンナの仕事はとても忙しく、娘のことまで考える余裕がなかったことを私は知っていました。
だから、どういう答えが返ってくるか、私には予想がついていました。
「今日、近くの皮膚科に行ってきた。このひどい状態でいるのはかわいそうだから、ステロイドを塗って一度きれいにしてあげるべきだと思う。いいよね?」
すると、ダンナお得意の答えが返ってきました。
「お前がいいと思うようにやれ」
暗黙の続きがある言葉。(ただし、お前が責任とれよ)
ダンナが言い終わるのを待たず、私はステロイドの袋を手に取りました。
あんなにステロイドはダメだと言っていたのに。
仕事が忙しくなると、家族のことは2の次、3の次。
ダンナのことを腹立たしく思いながらも、娘の肌をきれいにできるという喜びの方が大きく、私は娘を呼び寄せました。
ステロイドは普通の塗り薬と見た目は変わらず、私は怖いとも感じませんでした。
ステロイドを塗って二日目、娘の肌は嘘のようにきれいになっていました。
手の甲は掻いた跡が少しぼこぼこして固くなっていましたが、それでも今までよりはずっときれい。
私はステロイドの即効性と威力に、ただただ関心するばかりでした。
これがあれば、いつでもきれいになる。そんなお守りにも似た安心感も感じていました。
それが、後々苦しめられることになるなんて思いもしないで・・・。