母に「お父さんからメロン届いたよ。ありがとう。」とメールを打った。
数分後に、母から平静を装ったメールが届いた。なぜ平静を装っていると分かるのかというと・・・
メールの文章が標準語だから・・・。
いつもは関西弁丸出しの母のメール。
努めていつも通りに、でも言葉は丁寧に・・・というのが文章から感じられた。
それが他人行儀に感じられて、母と私の間にあるしこりを表しているようだった。
何事もなかったかのように、普通の会話。
何事もなかったことにしてほしい。そういう思いを感じるけど、母との間のしこりはこれが初めてじゃない。
広告
今までその小さなしこりを、自分の中に閉じ込めてきた。
なかったことにしてきた。
母は、絶対に自分の非を認めない。
私は今まで何度も母と衝突してきたけど、そのたび素直に謝るとか、自分が悪かったと反省することはない。
「私も悪かったかしらんけど、あんたも悪いんやで」と逆切れし、延々と過去のことまで引っ張り出して説教をしだす。
挙句の果てに一人ヒートアップして、血圧が200まで上がった、あんたのせいやと言ってくる。
そういうことが何度もあり、私は疲れてしまい、もう、私は母と衝突するまいと心に誓ったのだ。
私は母に、ダンナのことや家計のこと、日々の出来事など何も言わない。仲のいい親子なら普通にしている会話だろうけど、私と母の間には存在しない。どんなことがきっかけで母のスイッチが入るかわからないからだ。
母はそれが不満で、何でも言い合える親子になりたいのに、寂しいという。
私だってそうだよ、お母さん。
友達親子に憧れて、一緒に温泉旅行に行ったり、ご飯を食べに行ったりしたかった。
でも、お母さんと私じゃ、無理なんだよ。お母さんと一緒にいると、苦しくてしょうがない。
それが私の本音。でも、その本音は母には言っちゃいけない。
今回も、何事もなかったのだ。
私は自分に言い聞かせて、普段通りにメールの返信をした。
これで、また私の家庭に母の影が戻ってくるんだろう。
私はそんなことを考えながら、ぼんやりと携帯の画面を見つめていた。
いつもありがとうございます