母は、昔から忍耐強い人だった。
不遇な家庭環境で育ち、結婚してからも嫁・姑の仲が悪くいつも我慢していたようだ。
でも・・・
いつの頃からだろう?
そんな母が爆発し、誰の言うことも聞かずやりたいように過ごすようになったのは・・・。
母は自分の思い通りにならないと、私のことでも夫のことに関しても口出ししてきた。
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そして、「こうあるべき」「こうでなかったらおかしい」という自分の固定概念を押し付けてくる。
私のダンナは、母のその固定概念からかなり逸脱した人だったので、母は色んな面で受け入れられなかった。
当然ダンナとしてもあれこれ言ってくる姑にいい気がしない。
母と私、そして夫と私の関係までもギクシャクしだしたのは、ちょうど私が妊娠した頃だった。
私が妊娠したことで、離れていた母との距離が縮まった。
妊娠したことで母にいろいろ助けてもらわなくてはいけないことができたからだ。
それからは毎日のように母はうちへやってきた。
日に日に我が家に潜む母の影が大きくなっていく。
私は、母とダンナの間に立たされて、苦しい毎日が続いた。
母は、ダンナのことを「あの子は頭がおかしい。大人としての自覚がない。」など、辛辣な言葉を私にぶつけた。
私としては好きになって一緒になった人。
その人のことをそんな風に言われるのは辛かったから、ダンナをかばった。
母は、それがまた気に入らなかった。
「あんも頭がおかしくなったんやな。お似合いの夫婦や!」
そんな風に言われて、私も母を疎ましく思った。
ダンナも、この頃には母の悪口を言うようになっていた。
私も疎ましいとは思っているけれど・・・やはり実の母のことを悪く言われるのは辛い。
ダンナの悪口に対しては、私は母をかばった。
ダンナは「結婚した以上、妻は夫のことを一番に考えるべき」という考えをもっている。
なのに、私がダンナの見方をせず母をかばうことで、怒りの矛先が母から私へと変わっていった。
何かことあるごに「とお前ら一族は~」と言うようになった。
母からは「あんたら夫婦はおかしい」と言われ、ダンナからは「お前ら一族は・・・」と非難された。
私は・・・一体どこの誰なのか・・・見方も相談できる人もいなくて、わからなくなってしまった。
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